熊本城

プロジェクトの背景
2016年の熊本地震により地震前までライトアップしていた城内全ての建造物等と屋外照明設備⾃体が被災した。復旧⼯事が進む建造物に対し、LED照明の導⼊と共に、より効果的な屋外照明設備の導⼊が検討された。また、新規ライトアップ計画の検討開始と同時期に、熊本ならではの魅⼒ある夜間景観を創出することを⽬的としたマスタープランの検討が開始された。
のちに内原智史デザイン事務所により「光のマスタープラン」として都市計画におけるあるべき照明デザインが策定され、同⽒の監修のもとで熊本城の照明計画も実施された。
また、従来の照明システムにおいては、天守閣をカラーライトアップする場合に、照明器具にカラーフィルムを⼿作業で都度設置しなければならず運⽤⾯での課題があった。

ソリューション
開発・テスト / 販売 / システム構築 / 保守・運⽤

照明器具︓Lumenpulse
照明制御装置︓Pharos、Luminex
役務︓システム構築、演出プログラム作成、保守

プロジェクトの成果
省エネ / 光環境 / 価値向上 / 
ナイトナイムエコノミー / 調光制御 / クラウド・IoT

● LED照明に変更し、あわせてタイムシークエンスにより照射時間を制御したことにより、天守閣の消費電力は従来⽐で1/8となった。
● LED照明による最適な照明計画を実現することで光害を抑制。(ムダな光の抑制は電⼒量低減にも寄与。)
● 天守閣のカラーライトアップは、社会的意義のある活動への⽀援を⽬的に実施。
照明の整備前は年間10⽇程度であったが、整備後は令和4年度実績で76⽇の実施となった。多くの皆様により分かりやすくメッセージを伝えることができることから、関係部署や団体から好評である。
● クラウドシステムおよびDMX対応の照明器具を⽤いたことで、⾳響との連動も可能となり、夜間イベント時には⾳響に合わせてライトアップを制御することも可能となった。
今春のイベント時には、武将隊の演舞と組み合わせた実証実験を実施し、多くの参加者から⾼評価を頂いた。
● クラウドとIoTの活⽤によりリモート管理を実現。システムの⼆重化などを実装し、タイムリーで効率的かつダウンタイムを最⼩化するライトアップ運⽤が可能になった。
● クラウドを活⽤した運⽤性に優れるシステムを導⼊し、日常的な運用においては専⾨技術者を必要とせず施設管理者が容易にスケジュール変更できるように改善。結果として、柔軟で簡便な運⽤が可能となった。

<映像についての注意>
本映像におけるドローン撮影に関しましては、全ての関係各所と調整をした上で特別な許可を得てプロのパイロットが十分な安全対策のもと実施しております。(国土交通省飛行許可・承認済み、土地所有・管理企業及び団体、管轄警察署など。) 当該空域において無許可のドローン飛行は固く禁止されております。ご注意ください。

詳細情報

ジャンル /
場所熊本県熊本市中央区本丸11
クライアント熊本市⽂化市⺠局 熊本城総合事務所
設計-
照明デザインライティングデザイン: 内原智史デザイン事務所   施工: 不⼆・新熊本建設⼯事共同企業体
撮影映像制作・空撮︓*CYPHER(サイファー) 静⽌画︓ナカサアンドパートナーズ(写真提供:カラーキネティクス・ジャパン株式会社)