川崎市役所本庁舎

プロジェクトの背景
 川崎市役所の新たな本庁舎が2023年6月に竣工した。この新本庁舎は、主に行政の執務空間や議場からなる高層棟と、旧庁舎の外観を復元した復元棟、二つの建物をアトリウム空間で繋げることで構成されている。復元棟、アトリウムや回廊デッキなど低層部は市民に開放することで日常的に人々で賑わう多様な空間となっている。
 また、夜間の照明や建築外装のライトアップにより、市民にとっての新たな「まちの顔」となるとともに、まちの賑わいを演出する庁舎となった。
 照明設計においては、本庁舎各所に設置された演出照明器具を効率良く一括管理し、用途に応じた複数の照明シーンを用意するため、照明制御の統合システムとクラウドが導入された。

照明の特徴 – ファサード
・建物の頂部を照らし、夜間のスカイラインを形成。
・高層棟と復元棟の光の調和をはかる。
・川崎市のブランドメッセージロゴカラーを始めとする各種啓発活動のシンボル、多様な賑わいを演出するため、建築の頂部と外壁にフルカラー照明を採用。
・地域住民の方や観光で訪れた方にも優しい光環境。

照明の特徴 – 照明制御(議場、アトリウム、ファサード)
・効率的な運用と適切な維持管理のために、統合システムのマニュアル化と保守管理業務を導入。

ソリューション
  設計 / 開発・テスト
  販売・施工 / システム構築 / 保守・運用

照明器具: Lumenpulse、Color Kinetics Japan
照明制御装置: Pharos、特注制御盤
クラウド: Architainment Cloud
弊社担当役務: 照度分布図、照度シミュレーション、システム構築、プログラム作成、保守・運用

キーワード
  光環境 / 価値向上 / 調光制御 / クラウド/IoT

プロジェクトの成果

・制御、運用
複数エリアを一括制御する、照明統合システムを導入。
クラウド/IoT活用によりリモート管理を実現。システムの二重化。タイムリーで効率的且つダウンタイムを最小化するライトアップ運用が可能に。

・外装照明と外構照明
高層棟の外装照明(カラーLED照明)、復元棟の外装照明(電球色LED照明)、外構のムーンライトやゴボプロジェクターなど、多種多様な照明器具を一括制御。
建築外装のフルカラーLED照明や、外構のゴボプロジェクターでは、演出目的・用途にあった複数の照明演出シーンを制作及び実装(例:ブランドメッセージロゴカラー、アウェアネスカラー、地元スポーツチームカラー、季節ごとのカラー演出(ゴボ))。
イベントに併せてスケジュール運用。運用後もシーンの追加変更が可能。
近隣への光害抑制にも配慮している。

・アトリウム
時間帯による色温度+調光制御を担当。通常時はスケジュール運用。
マニュアル操作では、タッチパネルによる部分的な調光制御も可能。

・議場
調光制御を担当。タッチパネルによる簡便な運用を実現。
運用時に不用意なシーン変更や消灯が発生しないよう、全体制御やクラウドから切り離した単独制御とし、フェールセーフも実装。

詳細情報

ジャンル /
場所川崎市川崎区宮本町1番地
クライアント川崎市
設計株式会社久米設計
照明デザイン---
撮影株式会社ナカサアンドパートナーズ